2016.01.06 / 9〜16位決定トーナメント , 入替戦 , 順位決定トーナメント 0
text by Kenji Demura
勝てばトップリーグ残留確定、負ければ入替戦行き
天国か地獄かの9〜16位決定トーナメント第1節が9日、東京で
12月26日に全日程が終了したリーグ戦の順位を受けるかたちで、ジャパンラグビー トップリーグ 2015-2016は順位決定トーナメントに移行。
1〜8位を争う上位グループがLIXIL CUP2016を戦う一方で、リーグ戦A,B両グループの5〜8位によるラストバトルズとなる9〜16位決定トーナメントも、1月9、16、23日の計3節にわたって熱い戦いが繰り広げられることになる。
考えようによっては、3節の中でも最も大きな意味を持つ試合となる同・第1節は、9日、以下の組み合わせ、スケジュールで行われる。
<東京・秩父宮ラグビー場>
リコーブラックラムズ(A8位) – 豊田自動織機シャトルズ(B5位)=11:40
サントリーサンゴリアス(A5位) – コカ・コーラレッドスパークス(B8位)=14:00
<東京・駒沢陸上競技場>
Honda HEAT(A7位) – NTTドコモレッドハリケーンズ(B6位)=11:40
クボタスピアーズ(A6位) – NECグリーンロケッツ(B7位)=14:00
なぜ、前述のように同トーナメント第1節が最も大きな意味を持つと考えられるかというと、今季はラグビーワールドカップなどの影響でトップリーグ自体が短期決戦となっていることもあって、来季の昇格・降格に関しては全て入替戦によって決定され(昨季は自動昇格/降格枠が1チーム)、その入替戦にはトップリーグからは13〜16位のチームが回ることになり、その4チームというのはイコール9〜16位決定トーナメント第1節の敗者となるから。
9日に東京の2会場(秩父宮、駒沢)で行われる4試合は、来季もトップリーグで戦える権利を得られるか、降格の恐怖を突きつけられて入替戦回りとなるのか、運命を隔てる戦いとなるのだ。
5位対8位、6位対7位。下位チームの下克上は?
3季前の王者サントリーは秩父宮第2試合に登場
秩父宮には両グループ5位と8位の4チームが集結。同トーナメントに進出した8チームの中で最上位(リーグ戦5位)と最下位(リーグ戦8位)にランクされるチームの対戦となる。
同じリーグ戦5位だが、グループAのサントリーとグループBの豊田自動織機に関しては、実に対象的なリーグ戦終盤戦を過ごしたと言っていいだろう。
リーグ戦第6節でNTTドコモに29−28で競り勝ち、同・最終節のコカ・コーラ戦では同チームとしてトップリーグでの1試合最多得点となる70点を挙げて圧勝(70−17)。勢いに乗ったかたちでの順位決定トーナメント入りを果たすことになったのが、豊田自動織機。
コカ・コーラ戦後、LO松岡毅主将は「FWが前に出た」と勝因を語っていたが、FW陣の安定したボール供給が、FLバツベイシオネ、NO8ライアン・カンコウスキー、SOマーク・ジェラード、CTBヴァカジョセフウィルソンと揃う強力なインパクトプレーヤーの威力を倍増させているのは間違いないところ。
一方のサントリーは、第6節終了時点でLIXIL CUP進出圏内のグループA3位につけておきながら最終節で東芝ブレイブルーパスに14−25で完敗。ボーナスポイントも加えられなかったため、近鉄ライナーズ、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスに追い抜かれるかたちで同グループ5位に沈んだ。
「自分たちはミスが出ると崩れてしまうチーム」(LO真壁伸弥主将)というアタッキングチームゆえとも言える弱点を修正できないままリーグ戦を終えるかたちとなってしまったが、3年前のチャンピオンチームが入替戦に回るという屈辱を回避するためにも、もう一度アタックでの精度を高めていくことができるかどうかが、同トーナメントにおけるポイントになりそうだ。
そんな上位チームと対戦することになるリコーとコカ・コーラは7週連続となったリーグ戦では勝ち星なし。
リーグ戦最終節と今回の順位決定トーナメント第1節の前にようやく2週間の間隔が空くことになったが、リーグ戦で出た課題をどう修正できたかが、入替戦回避のための下克上成就のポイントになるのは言うまでもないだろう。
一方、リーグ戦両グループの6、7位として駒沢に集う4チームは当然ながら、実力伯仲。
実際、リーグ戦ではグループAのクボタ−Hondaが17−12、グループBのNTTドコモ−NECに至っては14−14の引き分け。
今季、再昇格を果たし、7節にわたる厳しいリーグ戦を戦い終えたHondaを例に上げるなら「ブレイクダウンのところは毎試合ステップアップして戦えるようになってきている。課題はセットプレー」と山路健太BKリーダーが指摘するように、各チームともにリーグ戦での戦いを総括し、いかに1試合の戦い方に落としこむか、紛れもなくチーム全体のラグビー力が試される「天国と地獄を分ける一戦」となる。