2016.01.08 / LIXIL CUP 2016 , 順位決定トーナメント 0
text by Kenji Demura
リーグ戦2強=パナソニックとヤマハ発動機はどう戦うのか
RWC2015戦士=堀江、五郎丸が語るLIXIL CUP2016の焦点
9日にスタートするジャパンラグビー トップリーグ 2015-2016順位決定トーナメント。
12月26日まで計7節にわたり行われたリーグ戦でグループA、Bそれぞれ1〜4位までの計8チームは、LIXIL CUP2016(1〜8位決定トーナメント)で優勝チームを争うことになる。
負けた時点で優勝の可能性が消える厳しいトーナメントを前に、昨季のファイナリストであるパナソニック ワイルドナイツとヤマハ発動機ジュビロの中心選手であり、昨秋のラグビーワールドカップ(RWC)2015でも日本代表として歴史的偉業に大貢献した堀江翔太(パナソニックHO)と五郎丸歩(ヤマハ発動機FB)に意気込みを聞いた。
昨シーズンのLIXIL CUP2015ファイナルで優勝を競ったパナソニックとヤマハ発動機。RWC2015の影響で計7節と短期決戦となった今季のリーグ戦でも終わってみればグループA、Bそれぞれの首位チームとしてLIXIL CUP2016進出を決めた。
ただし、両チームともに順風満帆にリーグ戦を乗り切ったわけではない。
3連覇を目指すパナソニックは開幕戦こそサントリーサンゴリアスに38—5で快勝したが、その後は黒星こそつかなかったものの、3試合連続で20点以上の失点を喫するなど堅守を誇るチームらしくない戦いが続いた。
第5節の東芝ブレイブルーパス戦では17—17で引き分け、第6節のクボタスピアーズ戦も30—27と大苦戦の末辛勝。
それでも、最終節のHonda HEAT戦では「ダイレクトに前に出るのか、外に振るのか、キックで後ろに下げるのか、ゲームバランスが良くなった」と、ロビー・ディーンズ監督を喜ばせるパフォーマンスを見せて64—5で圧勝。LIXIL CUP2016へ向けて、チームが仕上がってきたことを印象付けた。
堀江自身もHonda戦の試合内容には手応えを感じたようで、「大幅に成長したと思う。相手のアタックによって、自分たちのDFどうするというのをコミュニケーションとりながらできるようになったし、自分たちのやりたいことだけをやるのではなく、試合の中で相手のやってくることにアジャストできるようになってきた」と、チームの成長をポジティブに捉えてのLIXIL CUP2016入りとなることは間違いなさそうだ。
一方のヤマハ発動機も、開幕節から順調に白星を重ねたが、第6節の神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦では14—43で完敗。
一時はグループBでの1位通過が難しい状況となったが、最終節のキヤノンイーグルス戦でしっかり勝ち点5を獲得し、同節、神戸製鋼がトヨタ自動車ヴェルブリッツに敗れたこともあって、首位に返り咲くかたちでLIXIL CUP2016を迎えた。
「去年も神戸に負けてから調子を上げたチーム。シーズンどこか負ける時がくるので、それを早く修正したチームが上に行ける。いいかたちで修正できたので、いい流れが来ている」
五郎丸自身がそう語るとおり、昨季もヤマハ発動機はセカンドステージ第4節で神戸製鋼に10—40で完敗した後、トヨタ自動車、東芝、パナソニックという強豪を次々になぎ倒すかたちでLIXIL CUP2015出場を果たしている。
「チーム状態は右肩上がり」と、清宮克幸監督も昨季届かなかったトップリーグタイトル獲りに自信をのぞかせる。
「疲れているが言ってられない」(堀江)
「1週オフを挟み、いい感じ」(五郎丸)
パナソニックは神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場でキヤノン戦(13:00)、ヤマハ発動機は大阪・キンチョウスタジアムでNTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦(13:00)で、それぞれLIXIL CUP2016の戦いをスタートさせるが、堀江、五郎丸はそれぞれ対戦相手の印象、そして試合のポイントを以下のように語る。
「キヤノンはFWが近場をどんどん突いてきて、BKはシンプルなラグビーをしてくる。FWの勝負のところで負けないようにしたい」(堀江)
「ナキ(=NTTコムNO8アマナキ・レレィ・マフィ)もパフォーマンスがいい。お互い若いチーム。いい相乗効果を生んだ方が勝つ」(五郎丸)
ちなみに、リーグ戦ではパナソニックが35—28でNTTコムに、ヤマハ発動機はキヤノンに前述どおり33—19で勝利を収めている。
共に、NTTコムNO8マフィ、キヤノンNO8アダム・トムソン、同FBウィリー・ルルーといったキープレーヤーをしっかり抑え込んでの勝利だった。
対戦相手をひっくり返して戦う今回も「相手の強みをこちらの強みで消す。キープレーヤーをしっかり抑える」(ヤマハ発動機・清宮監督)ことがポイントになることも間違いないだろう。
「(RWC2015期間中)キャプテンの僕がいなくても、残りのメンバーはハードなトレーニングしてきたので基礎のところはできているし、毎試合、毎試合、苦しみながら成長してきた。あとは相手の分析をしっかりして、全員が準備万端で臨めるようにしていきたい。疲れているが、言っていられない。『優勝したい』というのが一番のモチベーション」(堀江)
「去年、チャンピオンを取っている(=日本選手権優勝)という過信ではなく自信をしっかり持って大会に入っていけば、自ずと結果はついてくる。
自分自身、(RWC2015から)帰って1ヶ月くらいは忙しかったですけど、チームの方もしっかりサポートしてくれて、ラグビーと両立できた。ここ4年間、試合に出続けているので、疲労も感じずにやっていけているし、1週オフを挟んだので、チームとしてもケガ人が帰ってきて、いい感じです」(五郎丸)
リーグ戦首位で出場したとしても、1回負けた時点で優勝の可能性がなくなる熱き戦い=LIXIL CUP2016第1節は、以下の4試合が予定されている(すべて9日開催)。
近鉄 − 神戸製鋼(11:40 愛知・パロマ瑞穂ラグビー場)
東芝 − トヨタ自動車(14:00 愛知・パロマ瑞穂ラグビー場)
NTTコム − ヤマハ発動機(13:00 大阪・キンチョウスタジアム)
パナソニック − キヤノン(13:00 神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場)